理事長挨拶
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2021年10月
理事長就任にあたって
堺咲花病院整形外科 菊池 啓
2020年8月1日:日本ではコロナウイルス第2波の中、理事会にて初代:脇本信博理事長の意向を継ぐ実践整形外科医として新理事長を拝命することになりました。2020年4月からコロナ感染が日本で猛威を振るい、その後、第5波が過ぎる2021年9月末まで本学会も充分な活動を行えませんでした。基本的に日本人は清潔であり、マスク社会にも慣れ、暴言・暴動するタイプではないので、世界的にはコロナ感染者総数や死者数・死亡率、新規感染者数全てにおいて低い結果となっています。私の願いが叶わず、今後第6波による緊急事態が再発令されているかもしれませんが、2022年の本学術集会はコロナ禍から復活している港:横浜の地でHybrid形式を予定しています。どのような理由であれ、学会誌の発行のみならず学会主導の研究などの遅れに関しては、理事長として不徳の至る所で深謝いたします。本学術集会はFace to Faceで多職種が交わった『小さくてもきらりと輝く学会』が売りでしたが、第33回&34回ともWEB形式となりました。ただ、この2回ともすべての発表がオンデマンドで長期間に亘り独占して&繰り返して観られたことは唯一の救いでした。私は微力ながら第1回研究会時代から本学術集会に参加し、20世紀後半エリスロポエチンが出た時にはドラキュラのように患者に貯血を求めたこともありました。術中術後の線溶系の変化、高齢者や関節リウマチ患者などの合併症や周術期に対する貧血対策などの新分野も開拓し、近畿大学医学部堺病院教授時代に2018年第31回本学会学術総会を大阪で主催させて戴きました(於:大阪市中央公会堂100周年)。その時のテーマは『周術期の貧血改善を求めて』とし、自己血輸血のみに関わらない周術期医療の中で、安全で最適な輸血を求める学会の方向付けを示しました。その後、2020年第33回から日本自己血輸血・周術期輸血学会と名称を変更し、正常な循環血液量の確保に関し、患者ならび家族・医師・医療スタッフが一丸となり周術期における合併症のない安全な医療を目指しています。
これまでの簡単な歴史を紹介しますと、1988年自己血輸血研究会初代会長:高折益彦教授(川崎医大:麻酔科)と湯浅晋治教授(順天堂大学:輸血室)が発起人となり研究会が口火を切り、1996年(平成8年)第9回会長:細山田明義教授(昭和大:麻酔科)において学会に改変移行しました。2004年(平成16年)に日本学会事務局センターの破産事件が起き、年単位で変わる学術集会会長は学術総会の運営に専念することに限定し、新理事長を置き、理事長が学会の代表者として、あらゆる諸問題を解決するように2005年(平成17年)理事長制度が導入されました。脇本信博(1993年、平成5年、第6回会長、帝京大学:整形外科)が初代の理事長となりました。2020年定年を迎えましたが、長期に亘り学会の礎と歴史を構築してきた経験を踏まえて、学会事務局長として協力していただけています。
機械的な自己フィブリン糊作成も軌道に乗り、保険点数も確保でき、各種外科手術の止血や接着に応用され、近年は整形外科分野(軟骨欠損、変形性関節症、靱帯付着部炎)や形成外科分野(皮膚移植、被覆)においては再生医療として自己血成分調整液(白血球や血小板由来成分:自費診療)も新たな選択肢となっており、手術によらない治療方法が確立されるかもしれません。
本学会では、垣根を超えたチーム医療が機能し、患者・家族・社会にとって最良の自己血輸血・周術期輸血ができるように努めて参りますので、皆様方の御支援ならび御協力を賜りたい所存であります。
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