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2014年12月 帝京大学医学部整形外科 脇本信博

 このたび,日本自己血輸血学会は一般社団法人 日本自己血輸血学会として登記いたしました。法人として新たな活動を開始するにあたり,理事長として一言ご挨拶申し上げます。
 本学会の前身は1986年(昭和61年)11月に設立された回収式自己血輸血研究会です。1987年(昭和62年)に川崎医科大学の高折益彦教授や順天堂大学の湯浅晋治教授らを発起人として,自己血輸血研究会が設立され,1988年(昭和63年)には新潟の地において第1回研究会が開催されました。その後,1996年(平成8年)には会員数が約1,000名となり,日本自己血輸血学会に改変・移行すると同時に,理事会制を導入し,会長の下,活発な討議・活動を行ってまいりました。その後,日本学会センター学会事務局問題が生じたことを受けて,2005年(平成17年)3月から理事長制を導入し,浅学菲才の身でありながら,私,脇本信博が初代理事長に就任いたしました。
 日本自己血輸血学会が開設された1987年(昭和62年)当時は,献血制度による同種血輸血の供給態勢が整備されるとともに手術療法が飛躍的に進歩を遂げた時代でありました。しかし,同種血輸血に伴う副作用として,輸血後肝炎や輸血後移植片対宿主病(輸血後GVHD)あるいはエイズも広く社会的な問題として注目されるようになりました。そのような時代的背景から,同種血輸血の問題点を解決する手段として,自己血輸血で手術時の出血に対応することが重要視されたわけです。
 ところが,私が理事長になった時期は,献血血液の核酸増幅検査に象徴される各種安全対策が導入・強化され,輸血に伴うウイルス感染症などの副作用の危険性が劇的に減少し,その結果,特に医療界の中で自己血輸血に対する関心が著しく低下してきたように感じられました。同種血輸血の安全性が高まってきた中で,「自己血輸血は必要ない」という意見も多くなり,自己血輸血の活動も衰退し,日本自己血輸血学会の会員数は600名前後まで減少してきました。
 しかし,同種血輸血にも免疫抗体産生や未知の感染症の問題はいまだ未解決です。感染後極初期の場合,肝炎やエイズが検査ですり抜ける問題もあります。一方,自己血輸血には肝炎やエイズの危険性はまったくありません。また,国民感情の点からも自己血輸血は幅広く支持されていると思います。今後も,適正輸血の推進のためにも,自己血輸血の確立と普及を図っていく必要があると考えられます。ところが,わが国では自己血輸血を含む輸血医学教育・研修を十分に受けているとは必ずしも言い難い研修医や看護師が,自己血輸血の実務を担当することも少なくなく,自己血輸血の実施環境,即ち,採血・保管管理・患者の安全性確保は十全とはいえない状況がありました。
 そこで,本学会は,2005年以来,以下の活動を通して,自己血輸血の安全性の確立と啓発活動を行ってきました。
  • 学会ホームページの設立
  • 学会主催教育セミナーの実施
  • 自己血輸血の実態および安全性調査
  • 自己血輸血に関するQ&Aの収集
  • 貯血式自己血輸血実施指針の確立
  • 回収式自己血輸血実施基準の制定
  • 学会認定・自己血輸血看護師制度の確立
  • 学会認定・自己血輸血責任医師制度の導入
  • 自己血輸血に関する書籍の出版
 現在では本学会の会員数も1,400名強となり,2014年12月1日に一般社団法人 日本自己血輸血学会として登記されました。本学会にとっては追い風ともいえる貯血式自己血輸血管理体制加算が保険収載された今こそ,私は,すべての役員,すべての会員の皆様方とともに,今一度原点に帰って,「自己血輸血学会は本当に社会に貢献できているのだろうか」ということを真剣に考え,取り組んでいきたいと思います。そして,本学会が果たすべき使命として,「自己血輸血に関する基礎的・臨床的研究を推進し,自己血輸血および周術期の適正輸血の啓発,普及および安全性の向上をはかることにより社会に貢献すること」に向かって,本学会を取り巻く様々な課題に対して全力で取り組んで行きたいと存じます。
 元さきがけ代表の武村正義氏の言葉ではありませんが,「小さくともきらりと輝く学会」をすべての会員の皆様方と作っていきたいと思います。本学会に対して,何卒,倍旧のご指導,ご鞭撻,そしてご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
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