自己血輸血とは
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| 自己血輸血とは(1) ・・・輸血の方法、同種血輸血の問題点、自己血輸血の方法、各種の自己血輸血の利点と欠点 (PDF475KB) |
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| 自己血輸血とは(2) ・・・貯血式自己血輸血を行う患者さんへの注意点 (PDF:628KB) |
ご説明する内容
輸血の方法同種血輸血の問題点
自己血輸血の方法
各種の自己血輸血法の長所と短所
貯血式自己血輸血を行う患者さんへの注意点
輸血の方法
手術の際の出血に備える方法には2つの方法があります。| 用意される血液 | 実施する場所 | |
|---|---|---|
| 同種血輸血 | ボランティアーの献血 | 赤十字血液センタ- |
| 自己血輸血 | 自分自身の血液 | 病院の採血室や手術室 |
同種血輸血の問題点
わが国では、赤十字血液センタ-の努力で血液が安定供給されるようになった結果、出血量の多い手術でも比較的安全に手術を行えるようになってきました。ところが、同種血輸血にも
1)妊娠や輸血による感作によって産生された白血球、血小板、血漿蛋白質に対する抗体によって生じる発熱、蕁麻疹
2)日本人に多い輸血後移植片対宿主病
3)肝炎、エイズなどの輸血感染症
などの問題点(図1)が明らかになってきました。
一方、自己血輸血には、発熱、蕁麻疹、輸血後移植片対宿主病あるいは肝炎、エイズなどの輸血感染症はありません(図2)。したがって、条件が合う患者さんには自己血輸血をお勧めしたいと思います。
自己血輸血の方法
術直前採血・血液希釈法(希釈法)、出血回収法(回収法)、貯血式自己血輸血法(貯血法)の3つの方法があります。1.希釈法(図3)
手術室で全身麻酔が開始された後、一度に1,000ml前後の自己血を採血します。その後、採血量に見合った量の輸液を行い、患者さんの体内の血液を薄める方法です。手術終了時に、採血しておいた自己血を患者さんに戻します。
2.回収法(図4)
手術中や手術後に出血した血液を回収し、患者さんに戻す方法です。手術中の出血を吸引によって回収し、遠心分離器で必要のないものを除いて赤血球だけを戻す術中回収法と、手術後に出血した血液をそのままフィルタ-を通して戻す術後回収法があります。
3.貯血法(図5)
手術前に2-3回採血を行い、採血した血液を手術中や手術後に患者さんに輸血します。自己血の保存法によりさらに3つの方法に分けられます。
| 1) | 全血冷蔵保存: 自己血を全血としてそのまま4-6℃で冷蔵保存 |
| 2) | MAP 赤血球と新鮮凍結血漿(FFP)保存: 自己血を赤血球と血漿に分離した後、赤血球にMAP液(保存液)を加え冷蔵保存、血漿はFFPとして冷凍保存 |
| 3) | 冷凍赤血球とFFP保存: 自己血を赤血球と血漿に分離した後、それぞれを冷凍保存し、手術当日に解凍して使用 |
各種の自己血輸血法の長所と短所(図6)
いずれの方法にも長所と短所がありますので、自己血輸血法の選択は主治医とご相談ください。希釈法
| 長所 | 手術前の自己血採血が必要ありません。採血した血液も新鮮です。患者さんの血液が薄まっているので、手術中の出血量もみかけよりすくなくなります。 |
| 短所 | 1回だけの採血なので、採血できる量に限界があります。麻酔をかけてから手術が始まるまでに時間がかかることも問題です。 |
回収法
| 長所 | 心臓手術のように大量に出血する手術や、人工膝関節置換術などのように手術中はほとんど出血がなく手術後にだけ出血する手術には有効とされています。 |
| 短所 | 回収した血液に細菌や脂肪が混じる危険があります。また、癌細胞が全身に広がる危険性があるため、癌手術には使用できません。 |
貯血法(全血冷蔵保存)
| 長所 | 特別な器具や装置を必要としないので、どの病院でも実施可能です。 |
| 短所 | 1週に1回自己血採血を行うため、貧血が進行する場合には、必要な血液量(貯血量)を用意できないことがあります。 |
貯血法(MAP赤血球とFFP保存)
| 長所 | MAP加赤血球は42日間保存可能です。 |
| 短所 | 大型遠心機が必要なため、どの施設でも行える方法ではありません。 |
貯血法(冷凍赤血球とFFP保存)
| 長所 | 凍結した赤血球は10年間使用できるので、手術に先立って数か月も前から何日にも分けて採血できるため、大量の貯血も可能です。また、使用する血液は新鮮です。 |
| 短所 | 特別な設備を必要です。また、冷凍や解凍などの操作も簡単ではありません。したがって、一部の施設でしか行っていません。 |
貯血式自己血輸血を行う患者さんへの注意点
自己血輸血の中で患者さんに実際にご協力をいただくのは貯血式自己血輸血です。ここでは最も一般的な全血冷蔵保存の概要を説明いたします。以下の点にご注意ください。貯血式自己血輸血の可能な患者さん(図7)
全身状態がほぼ良好な患者さんで、出血することが予想される手術が適応となります。緊急手術は適応になりません。
貯血式自己血輸血ができない患者さん(図8)
細菌に感染している患者さんや発熱のある患者さんから採血はできません。
採血スケジュール(図9)
800mlを貯血をする場合は、通常、手術の2-3週前から1回に400mlずつを2回採血します。
必要な薬剤(図10)
自己血採血に鉄剤は必須です。鉄剤を服用すると便が黒くなりますが心配ありません。
患者さんによってはエリスロポエチンという赤血球を増やす薬の注射をすることがあります。
採血前日の注意点(図11)
採血前日には十分に睡眠を取るようにしてください。
採血当日の注意点(図12)
採血前は食事をきちんと取ってください。また心臓や血圧や糖尿病の薬を使用している方はいつも通りに服用してください。
採血時の注意点(図13)
採血によってまれに気分が悪くなることがあります。医師または看護師に申し出てください。
実際の採血の方法(図14-1,図14-2,図14-3,図14-4)
献血と同じです。1)血圧や体温測定、2)採血をする部分の消毒、3)採血針の刺入、4)採血、5)患者さんによっては採血終了後輸液、の順に行います。
採血後の注意点(図15)
採血後、気分が悪くなったら横になって安静にしてください。また、激しい運動や飲酒は避けてください。
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