第36回日本自己血輸血・周術期輸血学会学術総会の開催にあたって

2023年2月
第36回日本自己血輸血・周術期輸血学会 学術総会会長
中国電力株式会社 中電病院 整形外科部長
高橋 和寛

第36回日本自己血輸血・周術期輸血学会学術総会を2023年6月16日(金),17日(土)に,広島市の平和記念公園内にあります広島国際会議場で開催いたします。歴史ある学術総会の会長を務めさせていただくことを大変光栄に存じますとともに,身の引き締まる思いです。これまで学術総会は3月に開催されていましたが,時期的に学会員・ご家族の転勤・進学などで現地に集まりにくいこと,さらにはCOVID-19の影響を受けやすい時期であることから,6月開催へ変更させていただいた次第です。

本学術総会のテーマは「自己血輸血の継承と推進~TEAM医療者の矜持~」とさせていただきました。近年同種血輸血の安全性が増し,手術手技の向上や薬剤の使用による術中出血量の減少もあり,自己血輸血に対する関心の低下があります。しかし少子超高齢化と若年者の献血離れ,さらにCOVID-19による献血数の減少により,血液の需給バランスの悪化が懸念され,Patient Blood Management(患者中心の輸血医療)としての自己血輸血の有用性が改めて認識されたのではないでしょうか。

また安全で適正な自己血輸血を行うためにはTEAM医療としての体制確立が不可欠です。「矜持」は私の好きな言葉で,自信,誇り,プライドを持つという意味ですが,自分を抑制して慎むなど自制心,謙虚さも伴っている言葉だと認識しています。「自信と誇りをもって安全で適正な自己血輸血を多職種が一致団結して行う,そしてその継承と推進をはかる。」という思いで開催させていただきたいと存じます。

COVID-19はやや収束傾向ですが,今後の状況によってはHybrid,あるいはWeb開催の可能性もあります。しかし,2019年の虎ノ門ヒルズでの第32回学術総会以来,皆様と4年ぶりにお会いし議論を深めたいと思います。

広島には世界遺産宮島,原爆ドーム,またアカデミー賞国際長編映画賞を受賞した「ドライブマイカー」の舞台となった広島国際会議場をはじめ見て感じていただきたい場所が多くあります。さらにお好み焼き,瀬戸内の新鮮な魚貝,レモン,もみじまんじゅうなど,食していただきたいものも多くあります。広島でお会いできることを楽しみにしています。