会長挨拶

 このたび、「自己血輸血:過去からの叡智、未来への継承」をテーマとして、第30回日本自己血輸血学会学術総会を平成29年3月10日(金)、11日(土)に、横浜市みなとみらい、パシフィコ横浜で開催させていただくことになりました。日本自己血輸血学会は1988年に第1回学術総会(川崎医科大学・高折益彦教授)が新潟で開催されたのを機に、2017年はそれから30年目にあたる、学会にとって記念すべき年になりました。伝統ある本学会の学術総会会長を担当させていただくことを大変光栄に存じますとともに、責任の重大さを痛感しています。
 今回の学術総会のテーマは30周年にふさわしく、「自己血輸血:過去からの叡智、未来への継承」と致しました。私は産婦人科医としてこれまで多数の自己血輸血に携わってきました。医療が発達した現代でも、母体死亡の主な原因は依然として出血であり、分娩は常に出血との戦いです。ハイリスク症例においては積極的に自己血輸血を考慮すべきであることは、今では産婦人科医の共通の認識となっています。先達たちの努力により、産婦人科領域のみならず、整形外科領域、泌尿器科領域、心臓血管外科領域など、様々な領域で自己血輸血が応用されるようになりました。これまでの30年を1つの節目として、わが国における自己血輸血の過去から現在に至るまでの足跡を総括し、それを基に、今後何を目指し、どのように発展していくのかを考えるきっかけにしたいと考え、本テーマと致しました。先人たちが築いてこられた伝統を継承しつつ未来に向けて着実に繋いでいかなければならないと心が引き締まる思いです。会員の皆様にご満足いただける充実した学術総会となるよう、全力で準備を進めてまいる所存です。
 横浜は、異国情緒あふれる素敵な土地です。海の見える素敵な景色、中華街などに代表されるおいしいお食事、2日間、学術総会に合わせ、横浜をじっくりご堪能いただければ幸いです。
 陽春の横浜で、大勢の皆様にお目にかかれますことを心より楽しみにしております。奮ってのご参加をお願い申し上げます。
平成28年7月吉日
第30回日本自己血輸血学会学術総会会長
東邦大学医学部産科婦人科学講座 主任教授
森田 峰人
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