会長挨拶

 このたび、第28回日本自己血輸血学会学術総会を平成27年3月6日(金)、7日(土)に、東京の千代田区平河町にあります都市センターホテルで開催させて頂くことになりました。テーマは「自己血輸血のさらなる推進を目指して」といたしました。順天堂大学で会長を担当させて頂くのは、第3回の湯浅晋治先生、第16回の鶴丸昌彦先生に続いて私で3人目になります。本学会を開催させて頂く機会を頂いたことを心より感謝をいたしております。
 自己血輸血は先達たちの大変な努力により、全国に普及しておりますが、必ずしも自己血輸血の有用性が医療界全般に十分に理解されていないのが現状ではないでしょうか。今回のテーマである「自己血輸血のさらなる推進を目指して」は自己血輸血の基礎的な研究から臨床応用まで幅広く討議をして頂き、今後、より一層、自己血輸血に対しての理解が深まること願って決めさせて頂きました。
 私は股関節外科の専門医です。今まで数々の手術を行ってきましたが、手術中に予想外の大量出血を来した症例を経験しています。また、人工股関節の再置換術症例や寛骨臼回転骨切り術では、手術中の止血操作を丁寧に行っていても出血が多くなり肝を冷やしたことが何度かありました。人工股関節全置換術や寛骨臼回転骨切り術などの股関節手術では、手術中の回収式自己血輸血法と術前貯血式自己血輸血の併用を行っています。手術中に出血した血液を回収し、洗浄して再利用する方法は、出血した血液を無駄にせず、万が一、手術中に大量の出血がおきても落ち着いて、適切な対応ができる余裕を持つことができると考えています。自己血輸血法はそれぞれの施設に適した輸血法で良いと考えますが、より安全に、より患者さんに負担のない方法で行うことがベストではないでしょうか。
 都市センターホテルは都心にあり、東京の名所に行くにはとても便利なところであります。東京スカイツリー、浅草、お台場、原宿、銀座にもスムーズなアクセスです。食事やお酒を飲むのにも赤坂、六本木、青山、渋谷が近く便利なロケーションです。
 平成26年の保険改定も含め、益々充実してきた自己血輸血看護師制度ですが、第14回の学会認定・自己血輸血看護師認定試験も予定しております。
 3月の初旬は東京でも春の訪れを感じられる季節です、多くの皆様が参加して頂けますように、魅力のある学術総会にしたいと思っておりますので宜しくお願いいたします。
平成26年8月吉日
第28回日本自己血輸血学会学術総会会長
順天堂大学医学部附属練馬病院整形外科教授
野沢 雅彦
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