第34回日本自己血輸血・周術期輸血学会学術総会の開催にあたって

2020年10月
第34回日本自己血輸血・周術期輸血学会 学術総会会長
聖隷佐倉市民病院 整形外科/ 院長補佐
小谷 俊明
 このたび、第34回日本自己血輸血・周術期輸血学会 学術総会を2021年3月13日(土)に御茶ノ水のソラシティで開催させていただくことになり大変光栄に存じます。千葉大学整形外科では、師匠である南 昌平先生の第15回以来の開催です。
 第34回学術総会は、新型コロナ感染の影響を検討した結果、ハイブリッド形式での開催とします。特別講演やランチョンセミナーなどは現地開催、その他はWeb開催とし、残念ながら、現地参加者は指定演者のみとさせていただくことにいたしました。
 近年、待機手術では貯血式自己血輸血の機会が減ってきています。しかし、新型コロナ感染拡大により、私達を取り巻く社会はかつての世界ではなくなりました。コロナ禍により献血者が減少している現状では、同種血輸血だけでは不十分で、自己血輸血を維持・発展することが必要であることを再認識させられました。令和の始まりは、自己血輸血にとっては再浮上へのターニングポイントとなるかもしれません。そのため、学術総会のテーマは、「自己血輸血と周術期輸血の未来戦略−新型コロナ感染のピンチを超えて−」としました。追い詰められた時こそ創造的な解決策を見つけ、成長することができる、という意味を込めました。
 近年の学会は専門化、細分化が進みがちですが、本学会の強みは、メディカルスタッフを含めた多様な分野、職種からの現場目線の切り口からの発表に触れられること、と思います。私自身、これまで本学会の学術総会に参加し多くの刺激を受け、新たなアイデアを思いつくよい機会となりました。
 本学術総会では、「コロナ禍における自己血輸血」や「血液を用いた再生医療」のセッションを新たに作りました。令和時代の自己血輸血、周術期輸血をどのように行っていくか一緒に考えていきたいと思いますので、多くのみなさまの演題をお待ちしております。
 御茶ノ水は、オリンピックが開催される国立競技場に近く、都内観光を楽しんでいただきたいのですが、現地参加ができない会員も多いと思います。Web学術総会は新たな日常になりつつあり、熱い討議はできませんがどこからでも参加できるメリットもあります。
「コロナに負けずに頑張ろう!」と言う気持ちになる学術総会にしたいと思いますので、3月にWebまたは現地で皆様にお会いできることを楽しみにしています。