会長挨拶

 2019年3月8日(金)、9日(土)の2日間、虎ノ門ヒルズで、第32回日本自己血輸血学会学術総会を開催させていただくことになりました。本学術総会のテーマは「いま、ふたたびの自己血輸血推進-適正な周術期輸血の推進を求めて-」といたしました。
 いま、日本は世界のどの国も経験したことがない超高齢化社会を迎えようとしています。輸血が必要な高齢者の増加と献血可能人口の減少により需給バランスの変化が生じ、血液製剤の安定供給のための施策を講じる必要があります。献血推進と血液製剤の適正使用とともに、自己血輸血の推進は国を挙げての大きなテーマです。
 世界的には輸血後肝炎やHIV感染が大きなリスクであった1980年代に自己血輸血が注目され、各国で積極的に実施されました。しかし、種々の安全対策により、同種血の安全性が飛躍的に向上し、一方、自己血輸血の術前患者負担・リスク、高い廃棄率、対費用効果の低さなどから、2000年以降は自己血輸血を積極的に行っている国は減少し、今では日本ほど自己血輸血が推奨されている国はないと言われています。
 近年の診療報酬改定で貯血式自己血輸血管理体制加算、希釈式自己血輸血、自己フィブリン糊などが新規保険収載され、自己血輸血推進の追い風となっています。また、日本自己血輸血学会は法人登記し、学会認定・自己血輸血医師看護師制度を設立しました。さらに、貯血式、回収式、希釈式自己血輸血の実施指針や基準を作成し、産科領域の貯血式自己血輸血の実施基準および自己フィブリン糊の使用マニュアルを発表し、自己血輸血の更なる推進を企画しています。
 自己血輸血が周術期輸血の中心的役割を演じ、日本人に合った『輸血文化』としての自己血輸血が「いま、ふたたび」推進されている現状を実感できる学術総会にしたいと思います。
都市計画決定から実に68年の歳月をかけて完成したマッカーサー道路の上にそびえ立つ地上52階の虎ノ門ヒルズの周辺は「2020年東京オリンピック」の準備で活気づいています。近くには多くのショップやレストランが建ち並び賑わっています。この新しい虎ノ門で多くの皆様にお会いできることを楽しみにしております。
2018年6月吉日
第32回日本自己血輸血学会 学術総会会長
国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 輸血部長
牧野 茂義
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